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ディレクター浪川の開発こぼれ話(5):「隠しパラメータについて」
[ディレクター浪川の開発こぼれ話] / [2009-12-31 13:04:31]

こんにちは、ディレクターの浪川です。

「機動戦士ガンダム戦記」の発売から4ヶ月あまり、あっという間に大晦日を迎えてしまいました。お蔭様で多くのお客様に遊んで頂くことができ、大変感謝しております。

12月31日と言えば、ア・バオア・クー宙域にて連邦軍とジオン軍との最終決戦が繰り広げられ、翌0080年1月1日は一年戦争の停戦が成立した記念の日でもあります。

そんなガンダムファンには感慨深い時期でもある年の瀬、節目の時期ということもありますので、この場をお借りして皆様にまずはお礼申し上げたく思います。本当にありがとうございました

さて、前回から大分時間が経ってしまいましたが、第5回目の開発こぼれ話をお送りします。今回の記事の内容は「武器の隠しパラメータについて」です。

「ガンダム戦記」の武器には、攻撃力射程弾数などの基本的なパラメータ以外に、ステータス表示では見ることができない不可視データが設定されており、個々の武器の個性や性能に変化を与えています。

これまでにも、隠しパラメータの一つである「チャージ速度」やアルファベット表記の「武器・盾の速度」について補足的な解説をしてきましたが、今回はさらに深い所に焦点を当てて公開いたします。


 <今回、初めて公開するパラメータ>

  ・拡散範囲とチャージ後拡散範囲
  ・弾速
  ・トリガー間隔
  ・誘導性能
  ・爆発半径
  ・ダウン属性

では、個々のパラメータについて解説していきます。

 

《 拡散範囲とチャージ後拡散範囲 》
弾のバラける範囲を示すパラメータで、半径0〜50mの範囲で設定しています。
チャージしていない状態の「拡散範囲」「チャージ後拡散範囲」の2つの値を別々に設定することで、武器ごとの性格を設定しています。
チャージ行動による拡散範囲の変化には3つのタイプがあり、武器カテゴリーごとに下の様な値が設定されています。(当てはまらない特殊武器も存在します)

 <チャージによる収束効果あり>
  マシンガン系      8〜15m →    3〜6m
  ビームライフル系   4m     →    1m
  ショットガン系      35m    →    20m
  スプレーガン      30m    →    10m

 <チャージによる収束効果無し>
  狙撃銃系     0m      →   0m
  バズーカ系    5〜10m  →  5〜10m
  キャノン系     15〜20m →  15〜20m(※ミサイル含む)

 <チャージによる拡散効果あり>
  スプレッドビーム    30m   →    50m
  マルチランチャー   30m →    50m

拡散範囲が広く当たりにくいショットガンスプレーガンも、チャージ収束してから発射すれば大量の弾を敵に叩き込むことができます。また、逆に硬直効果のあるスプレッドビームマルチランチャーチャージ拡散してから放つことで、複数の敵の足を止めることが可能です。

 

《 弾速 》
弾の飛ぶスピードを示すパラメータです。武器カテゴリーごとにスピードを設定しています。狙撃銃が最も弾速が速く、ミサイルが最も遅くなっています

  速い 1.狙撃銃系
   ↑   2.ビームライフル系
   |   3.キャノン系
   |   4.マシンガン系
   ↓   5.バズーカ系
  遅い 6.ミサイル系



                 < 狙撃ライフルは最も弾速が早い >



《 トリガー間隔 》
武器を発射した後、次弾が発射できるようになるまでの間隔を設定するパラメータです。トリガー間隔が短い程、連射できる武器であることを示します。
マシンガンが最も間隔が短く、キャノン系武器がもっとも長くなっています

  短い 1.マシンガン/ガトリングガン
   |   2.旧式マシンガン/ヘッドバルカン/ビームマシンガン
   |   3.ガトリングスマッシャー
   |   4.ガンランチャー/スプレーミサイルランチャー
   |   5.ミサイルランチャー
   |   6.ビームガン/ビームピストル
   |   7.ビームライフル/ロケットランチャー
   |   8.バズーカ
   |   9.ショットガン/狙撃銃/手投げ弾
   |  10.180mmキャノン/マゼラトップ砲
  長い 11.キャノン/ビームキャノン/スプレッドビーム



《 誘導性能 》
弾の誘導性能です。この性能が設定されていると、弾が敵に向かうように飛んでいきます。実弾系の武器のみに設定されたパラメータとなっています。

  高い 1.ミサイルランチャー(携行武器)
   |    専用ミサイルランチャー(ザメル、RX−81、ガンタンクII)
   |    マルチロケットランチャー(GP02)
   |    頭部ロケット弾(ズゴック系)
   |    魚雷(ハイゴッグ)
   |  2.魚雷(ゴッグ)
   |  3.ミサイルランチャー(ゲルググ)
   |  4.ミサイルシールド(ギャン)
   |    スプレーミサイルランチャー(ガンキャノン)
   |  5.グレネードランチャー
   |  6.バズーカ系/ロケット砲系
   |  7.クナイ/ヒートロッド/ハンドアンカー/ジャベリン
  低い   マゼラトップ砲/180mmキャノン


                < 敵を追いかけるミサイルランチャー >


《 爆発半径 》
爆風が発生する武器の爆発半径を示すパラメータです。爆風には当たり判定が設定されていますので、この数値が大きい程、広い範囲にダメージを与えることができます。

  広い 1.680mmカノン(ザメル)
   |   2.クラッカー/ハンドグレネード(ジムストライカー用)
   |    120mmキャノン(ガンタンク)
   |    大型キャノン砲(ドム・キャノン単砲仕様)
   |   3.ハンドグレネード(ジム系)
   |    アサルトキャノン(RX−81系)
   |     240mmキャノン(ガンキャノン)
   |    キャノン砲(FAガンダム)
   |   4.120mmキャノン(ガンタンクII)
   |     240mmキャノン(量産型ガンキャノン)
   |    5.120mmキャノン(量産型ガンタンク)
   |     180mmキャノン(ザクキャノン)
   |     360mmロケット砲(ジムキャノン)
   |     2連装キャノン砲(ドム・キャノン複砲仕様)
   |   6.ハイパーバズーカ/ラケーテンバズ
   |     180mm大型キャノン/マゼラトップ砲
   |   7.ジムバズーカ/ジャイアントバズ/クレイバズーカ
   |   8.360mmロケット砲/ザクバズーカ
   |     ロケットランチャー(陸戦型ジム)
   |   9.各種ミサイルランチャー/各種ロケットランチャー
  狭い   グレネードランチャー/ガンランチャー/ミサイルシールド

    1:65m 2:50m 3:45m 4:40m 5:35m
    6:30m 7:25m 8:20m 9:10〜5m

 ※爆発半径内の爆風によるダメージは、爆発範囲や武器種類にかかわらず、一律50%となっています。


           < チャージして発射すれば爆発半径はさらに拡大する >



《 ダウン属性 》
この属性がある武器がヒットすれば、敵をダウンさせることができます。

 ・クラッカー/グレネード
 ・キャノン系
 ・ビームキャノン系

「クラッカー/グレネード」及び「キャノン系」は爆風にもダウン属性が設定されているので、複数の敵を同時にダウンさせることも可能です。



今回、ご紹介したパラメータは、攻略本などでも紹介していないものです。
実際のゲーム内部では、内部処理専用の値で処理しているため、それをそのまま出しても分かりにくいかと思いましたので、性能順という形で公開させていただきました。装備武器や搭乗MSを選択する際に活用して頂ければと思います。

さて、5回に渡ってお送りした開発こぼれ話も、今回を以って終了とさせていただきます。全5回全てをパラメータや計算などの詳細な話でまとめるという、少々偏ったな記事になってしまいましたが、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

年末年始のお休みも、引き続き「機動戦士ガンダム戦記」でお楽しみ頂けましたら幸いです。それでは皆様、良いお年を!




デモパート制作こぼれ話(6)3Dモデルのみのデモ
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-30 11:38:24]

デモパート制作こぼれ話、第6回目は「3Dモデルのみのデモ」制作にまつわるエピソードをご紹介します。

3Dモデルだけで完結するならば、ゲーム制作サイドのみで作業を進めていくこともできなくはないのですが、今回はサンライズさんとがっちり共同作業で開発を進めていたので、ここでもアニメーターさんにご尽力頂き、3Dモデルのモビルスーツ同士の戦闘などのデモシーンに関してもコンテを作成、それに沿って制作することにしました。

コンテを描いて頂いたのは、「ターンエーガンダム」のメカニック設定や「装甲騎兵ボトムズ ペールゼンファイルズ」などでメカニック作画監督を務められた重田敦司さんです。では重田さんの手によるコンテ「イフリート・ナハト対ジム戦」をまずはご覧ください。

コンテの段階では、ジム・コマンドとの戦闘を想定していましたが、「ファントムスイープ」隊との混同を避けるため、製品版ではジムに変更しています。


手前から奥へとダイナミックに回り込み、敵を狙うイフリート・ナハト。




別の機体が援護に駆けつけますが…


イスリート・ナハトの放ったクナイがその手を離れた刹那…


ジムのメインカメラを破壊、仰け反りながらも反撃を試みるジムに…


イフリート・ナハトが猛然と突撃、逆手に持ったクナイを今度は…


直接ジムの腹部に突き刺し、一気に斬り裂きます!


倒れ込むジムの背後から次の機体が反撃するも、


まるで忍者の如く俊敏な動きでナハトの投げたクナイが…


今度は銃器を無力化。


さらにブレードを抜き…




手負いのジムに猛然と迫るナハト!


手前の1機に斬りつけた後、その反動を利用しつつ機体を踏みつけて


さらに奥のジムへ。


たまらずシールドによる防御を試みるも…


機体にひねりをきかせた回し蹴りでシールドをはじき…


回し蹴りの体勢から流れるような動きでブレードがジムにめり込む!








一瞬のうちに3機を撃破するイフリート・ナハト。その脅威の機動性!


別紙では平面上におけるイフリート・ナハトの動きの軌跡が参考用に記述されていたりも。


…といった感じで、紙の状態のコンテでも戦闘の臨場感がびしびし伝わってくるのですが、最終的にこのシーンは、全編3Dモデルとそのモーションで構成するデモとなります。

そこで、手描きならではの動きのタメやメリハリなどが3D化した場合でも十分に表現できるよう、重田さんに描いて頂いたコンテを元に改めてラフ原画を起こしていただき、それをムービー化、実際の動きのイメージをゲーム開発サイドで共有するという手順を踏むことにしました。それが以下のムービーです。

ラフ原画化の時点で、ジム・コマンドをジムに変更することが決定していたため、重田さんには急遽その箇所を修正して頂きつつ、ムービーは敵がジムのバージョンとなっています。
(ムービーは前述のコンテでいうところの前半部分のみとなっています)



いかがでしょうか。製品版ではさらに細かい調整やエフェクトなどを組み込んで迫力の映像に仕上がっています。アニメの現場で培われた手描きコンテならではの躍動感、そして3Dならではのリアルな実在感など、アニメとゲームのよいところが融合したデモとして楽しんで頂ければと思います。




デモパート制作こぼれ話(5)2Dアニメと3Dデモとの合成(2)ラフムービー
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-29 12:23:07]

デモパート制作こぼれ話も5回目となりました。前回はコンテの中の1カットに着目してご紹介しましたが、今回は「2Dアニメと3Dモデルの合成」デモを、もう少し長い尺で、かつ動画なども交えつつご紹介したいと思います。

紹介素材は、ジオン編で序盤に登場する「イフリート奪還デモ」です。まずはコンテからご覧ください。

終戦後、連邦軍がジオン軍から接収した新型機「イフリート・ナハト」の起動試験に乗じて、連邦軍から鹵獲(ろかく)したジムでエリクが基地に潜入、奪還を図る、というのがおおまかな流れです。



前ページから続く2カット目、ジムは3Dのモデル、それにかぶさる形でフレームインしてくるエリクは2Dアニメになっています。ここでも、コックピット内のエリクの目線とジムの顔の向きを合わせて芝居させるなど、演出の遠藤さんによる細かな指定がなされています。














カット20〜22にかけて、イフリートを起動すべく操作をするエリクの映像に重ねて、他のメンバーが同時進行で作戦遂行中であることを示すセリフが付記されています。




カット23、奪われていくイフリートを苦しげに見る連邦兵。イフリートはスラスターを全開にし、格納庫から漆黒の闇の中へと去っていきます。









…と、コンテで映像の流れを把握しつつ打ち合わせを進めるのは以前にも話した通りなのですが、サンライズさん、ゲーム開発サイド双方でカットの繋がりのイメージをより共有するために、このシーンに限らずラフムービーを制作したりもしています。以下にご紹介しますのでご覧ください。



なお、ここに掲載したコンテは決定稿に近いものですが、ラフムービーはそれより若干古い状態のコンテを元に制作したものなので、製品版と比べて、

・カット10のジムのヘッドバルカンの表現が、マズルフラッシュ(銃器を発砲する際に銃口からもれる閃光)のみを強調し火線を省略している。
・カット13、エリクがジムから降りる際のカメラ位置やその後の演出が異なる。
・イフリートに乗り込んだ後のエリクの描写がまだ入っていない。
・イフリートのモデルが仮モデルになっている。

など、差異がたくさんあります。そのあたりを見比べてみるのも面白いかもしれません。

このラフムービーを元に、各カットの完成度を高める作業を進めていくのですが、せっかくのこぼれ話なのでその途中バージョンのムービーもご紹介しようと思います。前述のコンテのうち、カット13、カット14、カット15の制作途中をムービー化しましたので併せてご覧ください。







さて次回は、「3Dモデルのみ」のデモシーンの制作こぼれ話をお届けする予定です。3D表現はゲームの得意とするところなのですが、実はここでもサンライズさんとのやりとりが活かされたりしています。お楽しみに!




デモパート制作こぼれ話(4)2Dアニメと3Dモデルとの合成
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-28 12:36:53]

前回はコンテ作成に関するこぼれ話をご紹介しましたが、今回はコンテから実際のデモシーンの1カットを選択、「2Dアニメと3Dモデルとの合成」によるカットが完成するまでの流れを簡単にご紹介したいと思います。

今回の「機動戦士ガンダム戦記」のデモシーンが少々特殊なのは、コンテに描かれたカットごとに、「2Dアニメのみ」、「2Dアニメと3Dモデルの合成」、「3Dモデルのみ」などのバリエーションがあるということなんです。

その中でも、今回ほど多くの「2Dアニメと3Dモデルの合成」を制作した例は過去のガンダムゲームにはなかったため、アニメ制作のサンライズさんゲーム制作サイドとの間で、制作工程に関して綿密な打ち合わせを行ないながら進めることになりました。

では、「こぼれ話(3)コンテ作成」でご紹介した、連邦編オープニングのカット8(下のコンテ赤枠部分)がどのような手順で制作されたのか、順を追って見ていきたく思います。



コンテを見つつ、カット8のイメージを固めるため、まずはサンライズさんの方でレイアウトを作成して頂きました。それが下の画像です。コンテではヒューは手のひらの上に立っている状態でしたが、ユーグとの芝居の絡みなどから、座った姿勢に変更しています。



このレイアウトを元に、ゲーム開発サイドではヒューが座ることになるジム・コマンドの手先部分を3Dモデルで制作します。



制作した3Dモデルを出力したものに前述の手書きのレイアウト重ね合わせ、合成した際のアタリをつけていきます。



ところでこの場面、コンテでは座っているヒューの手前にジム・コマンドのコックピットが合成され、「コックピットなめ、手のひらの上で座るヒュー」というカットになっています。
そのため、ジム・コマンドのコックピットのレイアウトも別途作成します。コックピット内のサブモニターなど、後ほど別映像を合成する箇所はオレンジの斜線で指定され、アニメーターさんとゲーム開発サイドでの情報のやりとりがなされています。



コックピットのレイアウトに問題がなければ、線を整理し、アニメーターさんが原画として仕上げます。それが以下の画像です。3Dとの合成も考慮し、不自然なパースとならないよう、非常に気を使って作画して頂きました。



出来上がった原画を元に、今度は動画を作成していきます。それが以下の画像です。



ヒューに対しても正確な原画が起こされ、また色指定などもなされました。ヒューの右側に細かく書かれているのが色指定です。



ヒューの原画が決まったら、線を整理し、コックピットの場合と同様、動画となっていきます。



サブモニター上のレーダー画像など、別途作成したものも含め、最終的に全ての素材が合成されたのが下の画像です。



また、各キャラクターの決定稿が仕上がるに従い、影指定なども行ないます。これは、決定稿の線画のどこに影をつけるかを指定したもので、以下の画像で色のついている部分が影を入れる箇所になります。













カット合成に関するこぼれ話、いかがだったでしょうか。このカット以外にも、デモシーンの色んな箇所で同様の工夫をこらして制作していますので、ぜひ見てみてくださいね。




「機動戦士ガンダム戦記 U.C.0081−水天の涙−」コミック第1巻発売!
[関連情報] / [2009-12-25 13:45:57]
「月刊ガンダムエース」で好評連載中の「機動戦士ガンダム戦記 U.C.0081−水天の涙−」が、いよいよコミックスとなって明日12/26(土)に発売となります。

「機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…」や「GUNDAM LEGACY」など、緻密かつ迫力あるメカニック表現細やかな人物描写で多くのファンを獲得している夏元雅人先生が、今作でもモビルスーツ同士のダイナミックなバトルや、ゲームでは語られていないキャラクターたちの関係などを描いています。

また巻末には登場人物やRX-81ジーラインの設定資料なども掲載、年末年始はゲームとともに、コミックスでも「ガンダム戦記」の世界をぜひ楽しんで頂けたらと思います。


定価:本体560円(税別)

詳細は下記のURLからご確認ください。

http://www.kadokawa.co.jp/comic/kongetsu.html



デモパート制作こぼれ話(3)コンテ作成
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-24 13:38:34]
キャラクター設定が進むにつれ、ゲームに組み込む各種デモムービーのコンテ制作も進んでいきます。デモムービーコンテなど演出をを担当して頂いたのは、OVA「FREEDOM」などで演出を担当された遠藤広隆さんです。そこで、今回は遠藤さんが手がけた実際のコンテをご紹介したく思います。

「機動戦士ガンダム戦記」には相当量のデモムービーが収録されていますが、年末に新規にプレイされる方々にネタばれにならない範囲ということで、今回は連邦編、ジオン編ともにゲーム開始直後のデモムービーコンテを一挙公開です。
(開発途中のコンテですので、製品版とは一部カットの内容や尺数が異なる場合があります)

●連邦編
連邦編は冒頭、砂漠のシーンから始まります。


3Dマップを背景に使用しているため、実際のコンテ割りに加え、カメラ位置などの指定が入る場合もあります。








カット6からカット8、振り返るユーグと、モビルスーツの手のひらの上でそれに応えるヒューですが、このコンテ段階でキャラ=セル作画背景及びモビルスーツ=3Dモデルという方向性が決定していました。そのため、アニメを制作されたサンライズさんとゲーム制作現場の間では、2Dセルアニメと3D背景を違和感無く合成するために入念な打ち合わせが重ねられることになりました。




ヒューが2番機に乗り込むカット12、実際の製品ではその後、HD品質の画質に耐える細かい芝居がつけられることになります。








●ジオン編




連邦編の場合と同様、カット4のアイロスの向こうに広がる背景は3Dモデルによる合成になっています。


カット8、製品版ではザクI・エリク仕様ですが、この時点では仮にザクIIとして描かれています。










カット17、手のひらのペンダントは実はまだデザイン詳細が決まっていませんでした。




実際のコンテ、いかがだったでしょうか。これが最終的にどのような映像になったのかは製品版のデモシーンでぜひ確かめてみてください。次回は、デモシーンの大きな特徴にもなっている「2Dアニメと3Dモデルとの合成」に関するこぼれ話を予定しています。お楽しみに!







デモパート制作こぼれ話(2)キャラクター初期設定「インビジブル・ナイツ」
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-22 16:35:06]

前回に引き続きキャラクターの初期設定画稿をご紹介します。今回はジオン軍「インビジブル・ナイツ」の面々です。

●エリク・ブランケ
ジオン名家の出身というエリク。「信念を持って生きる騎士(ナイト)」のようなイメージでキャラクター固めを進めていきました。下の画稿は最初期のエリクのラフで、決定稿と比べ甘い顔立ちでやや子供っぽい印象からキャラクター設定がスタートしました。


前述のラフを元にすり合わせを行ない、強い意思で作戦を遂行する若き隊長、というイメージで精悍さを加味しつつ調整していったのが下の画稿です。とはいえ、邪(よこしま)な野心で行動するキャラではないので、強い意思の中にも清廉な野心や気品が醸し出されるような感じ、という難しいオーダーで鈴木さんにはご苦労をかけました。



●アイロス・バーデ
エリクとは幼馴染、部隊の中では部下にあたるアイロス。常に冷静沈着頭の回転が早く、隊長としてのエリクに忠誠を誓い、自分はでしゃばりすぎずに作戦遂行に尽力する、という「男前」なキャラクターです。知性も感じさせつつ、「必要とあらば自分がいつでも隊長の盾になる」という覚悟も醸し出されるよう、エリクより大柄な体格のキャラとなっています。決定稿と比べ、輪郭などがややふっくらした印象の最初期ラフです。



●フリッツ・バウアー
アイロス同様、エリクの幼馴染であり部下であるフリッツ。性格的には感情的になりやすいが、その分思い切りのよさや度胸も併せ持っている、という設定で、冷静沈着なアイロスとの対比を狙ったキャラクターとなっています。また生粋のスペースノイドなので、髪型や髪色に地球のそれとは違ったイメージを持たせようという案が鈴木さんから提案され、初期画稿段階から加味されています。



●フィリーネ・イステル
敗戦による人員不足で、連邦に比べ年齢層が若いジオンの部隊ですが、その中でも最も若く実戦慣れしていないにも関わらず、健気に管制官を務める女性。それがフィリーネの作品中での位置づけです。シナリオモードでは連邦、ジオン両側面を楽しめる構造になっていることから、厳しさと女っぽさを併せ持つ連邦側のマオとは対極の、前向きな努力家でかわいらしい女性、というイメージで描いています。そばかすも初期画稿の頃から描かれており、彼女の若さを象徴する特長にもなっています。
アフレコの際も、序盤から中盤にかけては不慣れでいっぱいいっぱいな感じ後半から終盤にかけては実戦の中で彼女なりの成長を遂げた感じのニュアンスで、フィリーネ役の藤村歩さんに演じていただきました。



●クリスト・デーア
エリクとは兄弟同様の付き合いであり、メカニックマンとして部隊を支える面倒見のよい部隊の兄貴分的存在、それがクリストです。初期画稿では少々多かった無精ひげを、決定稿ではやや少なめにするなどしてすっきりさせています。



●オットー・アイヒマン
最後の一兵になっても戦い続けるという信念を持った生粋のシオン軍人で、連邦のゴドウィンとはまた違った、「一歩も引かぬ強い意志」が感じられるようなキャラクターを目指して描いて頂きました。職業軍人という立ち位置が明確なせいか、オットーも初期画稿から大きく変更のなかったキャラと言えます。



●ヒルデ・ニーチェ
気が強く、弱音も吐かず負けず嫌い、そんな若き女性兵士。それがヒルデです。戦いに明け暮れる毎日、長髪を無造作に束ねた感じのヘアスタイルでパイロットスーツに身を包むことが日常となっている彼女ですが、平和な時代に生まれていれば相当凛々しい美人で魅力的な女性。そんなイメージで描かれた初期画稿です。



●グスタ・エーベル
若いながら言葉遣いや立ち振る舞いはしっかりしているエリクの軍学校時代の後輩という位置づけのグスタ。下の初期画稿では僅かに面長に見えますが、決定稿では等身的にもエリクより小柄にし、少々かわいらしさが感じられるようなイメージにしています。



●ロルフ・アーレンス
ドイツ系の血を引く、という最初期設定のせいか、初期画稿では異国情緒の感じられる顔立ちのロルフですが、グスタ同様、軍学校時代にエリクの後輩として行動をともにし、エリクに心酔しているという立ち位置と、真面目で任務に忠実という性格を強調するため、決定稿ではさわやかな印象の顔立ちになっています。



ちなみに各キャラクターの等身は以下のようになっています。若き獅子のようなエリクを左右から支える長身のアイロスとフリッツ、プレイヤーに対し強い口調で指揮するものの、実はシェリーよりやや小柄なマオ(但しスリーサイズは別)など、各キャラクターの関係性(及びプレイヤーと関わり)がより活きるよう、等身設定にもゲームならではの気配りをしています。


さて、両軍のキャラクター紹介に続いて、次回はデモパートのコンテ作成に関するこぼれ話をご紹介予定です。お楽しみに!




デモパート制作こぼれ話(1)キャラクター初期設定「ファントムスイープ」
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-21 13:44:18]

早いものでもう師走、「機動戦士ガンダム戦記」も、発売から3ヶ月近くがあっという間に経ってしまいました。

シナリオモードをクリアし、オンラインで協力プレイをお楽しみ頂いている方、自分なりのカスタマイズを追求されている方、各種トロフィーのコンプリートを達成した兵(つわもの)まで、様々なプレイヤーの方々にプレイされているようです。

その一方で、年末のお休みを前に最近製品を購入し、シナリオモードに取り掛かっている方などもおられるようなので、今回はシナリオモードに関連し、特にキャラクターやデモムービー関連のこぼれ話をお届けしていきたいと思います。

そんなわけで今回は登場キャラクターたちの初期設定画稿をちょこっとご紹介いたします。まずは連邦軍「ファントムスイープ」の面々から。

●ユーグ・クーロ
これは最初期のユーグのラフ画です。眉や瞳の大きさなど、決定稿とは大きく異なっています。


これはゲーム内におけるユーグの立ち位置などをすり合わせつつ、並行してラフをブラッシュアップした画稿です。連邦軍側主人公には珍しい年齢の高い主人公ということで、決定稿よりややがっしりした感じの男くさい印象になっていました。


これは上の画稿とほぼ変わりませんが、上段中央などの画稿から、あごまわりのラインを細くして、やや優男風の調整を試行錯誤していた頃ですね。


さらに「端整な顔立ちだが陰がある」というイメージを目指して調整を重ねたのが下の画稿です。このように各キャラとも何回かのトライアルを経て決定稿へと近づいていきます。ちなみに今回のキャラクターデザインを担当されたのは、劇場版「機動戦士Zガンダム」の原画や作画監督補佐をされた鈴木竜也さんです。



●シェリー・アリスン
初期のシェリーは決定稿のものよりかなりグラマラスな体型で、ある意味「マオと同サイズかそれ以上」でしたが、他のキャラクターとのバランスや、シナリオ上の役割などから、決定稿では少しスレンダーな感じに調整しています。これは最初期のシェリーのラフ画です。


前述のシェリーのボディラインを調整、さらに髪の長さなども微妙に修正した、比較的初期のシェリーです。


シェリーはシナリオの重要なパートを担うキャラでもあるため、髪型なども試行錯誤が重ねられました。知的な感じのニュアンスも加味したい、という理由で、決定稿ではおでこを露出するような髪型になっています。
下の画稿は前髪を下ろし、やや外ハネの強い感じの髪型のシェリー初期案です。髪型が違うため、全身像も決定稿とはやや違った印象に見えます。





●ヒュー・カーター
軍規違反者として特務部隊に送り込まれてきた皮肉屋、という設定から、初期のヒューははねっ返り気味のキャラとして描かれています。



●マオ・リャン
輪郭のラインなどに僅かに違いが見られるものの、初期からイメージが最もブレなかったのがこのマオです。連邦側指揮官兼オペレーターとして、正規軍人としての厳しさと女性っぽさとの両方を併せ持つというキャラクターを狙っています。「状況をクリーンにしろ!」という彼女独特の口調も、キャラクターをブラッシュアップしていく過程で生まれていきました。



●ボブ・ロック
彼のみ本作が初登場ではなく、ドリームキャスト用ソフトとして発売された「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」に登場したキャラをリファインしています。とはいえ、前線での任務の過酷さからか、髪に白いものが目立つようになりました。決定稿ではもうすこし気さくさが感じられるものになっています。



●ゴドウィン・ダレル
彼も初期設定からイメージのブレが少なかったキャラの1人で、職業軍人としての威厳を感じさせるキャラとなっています。


ちなみに、マオ、ゴドウィンの最初期のラフ画が以下のものです。やはり決定稿との差が少ないキャラといえると思います。



●ロブ・ハートレイ
出世欲などとは無縁の万年中尉、殺伐とした戦場に何かしら肩の力の抜けた感じを醸し出してくれるよう、大柄、ひげ面、しかし優しそうな顔立ち、という感じの飄々とした不良中年キャラになりました。



●カマル・クマル
いたって真面目で手を抜くことを知らない若い補充兵、融通が利かない一面も、という設定で起こされた初期画稿です。このうち真面目で真っ直ぐ、という部分を重視して顔立ちを調整していきました。



●ハイメ・カルモナ
多額の借金を返済するために、危険手当の多い特務部隊に志願転属してきた、という設定から、パイロットとしての腕前には自信のある少々ふてぶてしい感じの初期画稿となっています。



ここに紹介したのはキャラクター設定のほんの一部で、実際には体型から細かな表情まで何段階かの打ち合わせを経て決定稿となっていきます。製品版の各キャラクターと見比べつつ楽しんで頂けましたらと思います。
次回はインビジブル・ナイツのキャラクター設定をお届けする予定です。お楽しみに!




フィリーネのカスタマイズ情報(7)ケンプファー格闘型(改)
[マオとフィリーネのカスタマイズ情報] / [2009-12-18 13:18:49]


インビジブル・ナイツフィリーネです。最近になって連邦の機体の中に、複合装甲ユニットなどを多数装備した、非常に耐久力の高いカスタマイズ機が確認されています。

耐久性を最重視しているため、機動性は高くありません。そこに目をつけた整備班が、前回紹介した「機動性を活かした格闘戦主体のケンプファー」の改良版を提案してくれましたのでお知らせしますね。

以下は前回のケンプファーカスタマイズ事例です。



今回の提案では、主武装のNT-1サーベルを、攻撃力、速度共に優秀なガーベラサーベルの2刀装備に変更しています。

またカスタムパーツには、新たに入手可能となった格闘ブースターSPを2つ装備、格闘戦能力の確保を図っているほか、マグネットコーティング大容量プロペラントタンクなどで、ケンプファー本来の持ち味でもある機動性も向上させています。


FIGHT999から940と、数値的には低下してはいますが、ガーベラサーベルの持つDMG:550速度:Aという武器性能から、実質的戦闘力は前回提案を上回っていると言えるようです。

また、ビームスプレーガンを非装備としたことで、敵機を仰け反らせることができなくなってはいますが、前回提案よりBOOST値が上昇し、空中でのチャージ時間を稼ぐことができるようになっているため、チャージ攻撃により敵の懐へ一気に飛び込み、なぎ払う戦法のようです。

格闘戦特化という割り切ったカスタマイズ事例ですが、今回はCAP、GENともに残量が0という、さらに効率性を追求したカスタマイズ例ともなっています。いかに耐久力があるとはいえ、このケンプファーの機動性と格闘戦能力、そしてパイロットの皆さんの技量があれば、必ず勝機はあると信じています。どうか、ご無事で。




マオ少佐のカスタマイズ情報(6)ガンダム試作2号機
[マオとフィリーネのカスタマイズ情報] / [2009-12-17 13:55:10]


ファントムスイープ隊マオ・リャン少佐だ。情報部から新たなカスタマイズ情報が届いたので通達する。

今回の情報はガンダム試作2号機に関するもので、カスタマイズのコンセプトは「単機による対ビグ・ザム攻略戦」を想定したもの、とのことだ。

ジオンのモビルアーマー、ビグ・ザムは、高い耐久力、強力な火力を有する上、ビーム兵器が効かないという強敵である。
これに対抗するための有効なMSとしては、ガンキャノン・SML装備RX-81STミサイルランチャーなど、各員の戦い方に応じて幾つか候補機体が挙げられるかとは思うが、今回はAP(アーマーポイント)の初期値が5800、かつ宇宙適性が高いという特長を持つガンダム試作2号機をベース機体としている。

まず主武装だが、敢えて近接格闘武器であるビームサーベルMk-II改を装備、また副武装として、護衛の敵MSを掃討するためのビームマシンガン、そして大口径メガ粒子砲を受け止めるためのサイサリスシールドを携行させている。


またカスタムパーツだが、複合装甲ユニットを計4つ装備し、AP(アーマーポイント)を15600としているほか、格闘ブースターSPを装備して近接攻撃の威力を上げている。カスタマイズの方向性としては非常に割り切ったものとなっているようだ。


反面、SPEEDが0になってしまっているため、機動性を活かして敵の攻撃をかわすことは困難である。そこで、以下の画像を見てもらいたい。






ビグ・ザムの大口径メガ粒子砲の直撃をガードした瞬間を記録した戦闘画像だが、その場合、サイサリスシールドをタイミングよく構える技量があればAP(アーマーポイント)の減少を1〜2%の範囲にとどめることが可能だ。ただしあくまでも正面から受けた場合なので、運用には注意が必要だ。

また、FIGHTを700まで上昇させているため、オフラインでの戦闘であれば1コンボで1部位を破壊、オンラインでの戦闘時でも1コンボ+2撃程度で1部位を破壊することが可能だ。これに関しても、近接格闘武器を使いこなす技量が要求される。マルチロケットランチャーも併用しつつ戦うのがよいだろう。




さらに、このカスタマイズ思想を下敷きに、「バトルロイヤル時における耐久力の確保」を優先したのが以下に紹介する事例だ。




主武装/副武装的に変更は無いものの、カスタムパーツを複合装甲ユニットだけとした、さらに割り切った設計思想となっている。
SPEEDが0なのは先の事例と同様ではあるが、AP(アーマーポイント)が20400と破格の数値となっており、サイサリスシールドで敵プレイヤーの攻撃を受け流しつつ、チャージ攻撃などを多用して戦う技量が伴えば、バトルロイヤル戦でこの機体を相手に戦うプレイヤーは相当の覚悟が必要なはずだ。ただし、少ない機動性を補うためにも、月面などでのバトルロイヤル戦に割り切るほうがよいかもしれない。

いずれの事例もプレイヤーを選ぶ極端な事例であることは間違いないが、カスタマイズにはこういった一部性能を先鋭化させた方向性もあるという情報部からの提案と捉えて欲しい。何度もいうように、カスタマイズに絶対の正解はない。プレイヤーの戦い方の数だけ、カスタマイズの方向性もあると考えてもらいたい。以上だ。



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