早いものでもう師走、「機動戦士ガンダム戦記」も、発売から3ヶ月近くがあっという間に経ってしまいました。
シナリオモードをクリアし、オンラインで協力プレイをお楽しみ頂いている方、自分なりのカスタマイズを追求されている方、各種トロフィーのコンプリートを達成した兵(つわもの)まで、様々なプレイヤーの方々にプレイされているようです。
その一方で、年末のお休みを前に最近製品を購入し、シナリオモードに取り掛かっている方などもおられるようなので、今回はシナリオモードに関連し、特にキャラクターやデモムービー関連のこぼれ話をお届けしていきたいと思います。
そんなわけで今回は登場キャラクターたちの初期設定画稿をちょこっとご紹介いたします。まずは連邦軍「ファントムスイープ」の面々から。
●ユーグ・クーロ
これは最初期のユーグのラフ画です。眉や瞳の大きさなど、決定稿とは大きく異なっています。
これはゲーム内におけるユーグの立ち位置などをすり合わせつつ、並行してラフをブラッシュアップした画稿です。連邦軍側主人公には珍しい年齢の高い主人公ということで、決定稿よりややがっしりした感じの男くさい印象になっていました。
これは上の画稿とほぼ変わりませんが、上段中央などの画稿から、あごまわりのラインを細くして、やや優男風の調整を試行錯誤していた頃ですね。
さらに「端整な顔立ちだが陰がある」というイメージを目指して調整を重ねたのが下の画稿です。このように各キャラとも何回かのトライアルを経て決定稿へと近づいていきます。ちなみに今回のキャラクターデザインを担当されたのは、劇場版「機動戦士Zガンダム」の原画や作画監督補佐をされた鈴木竜也さんです。
●シェリー・アリスン
初期のシェリーは決定稿のものよりかなりグラマラスな体型で、ある意味「マオと同サイズかそれ以上」でしたが、他のキャラクターとのバランスや、シナリオ上の役割などから、決定稿では少しスレンダーな感じに調整しています。これは最初期のシェリーのラフ画です。
前述のシェリーのボディラインを調整、さらに髪の長さなども微妙に修正した、比較的初期のシェリーです。
シェリーはシナリオの重要なパートを担うキャラでもあるため、髪型なども試行錯誤が重ねられました。知的な感じのニュアンスも加味したい、という理由で、決定稿ではおでこを露出するような髪型になっています。
下の画稿は前髪を下ろし、やや外ハネの強い感じの髪型のシェリー初期案です。髪型が違うため、全身像も決定稿とはやや違った印象に見えます。
●ヒュー・カーター
軍規違反者として特務部隊に送り込まれてきた皮肉屋、という設定から、初期のヒューははねっ返り気味のキャラとして描かれています。
●マオ・リャン
輪郭のラインなどに僅かに違いが見られるものの、初期からイメージが最もブレなかったのがこのマオです。連邦側指揮官兼オペレーターとして、正規軍人としての厳しさと女性っぽさとの両方を併せ持つというキャラクターを狙っています。「状況をクリーンにしろ!」という彼女独特の口調も、キャラクターをブラッシュアップしていく過程で生まれていきました。
●ボブ・ロック
彼のみ本作が初登場ではなく、ドリームキャスト用ソフトとして発売された「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」に登場したキャラをリファインしています。とはいえ、前線での任務の過酷さからか、髪に白いものが目立つようになりました。決定稿ではもうすこし気さくさが感じられるものになっています。
●ゴドウィン・ダレル
彼も初期設定からイメージのブレが少なかったキャラの1人で、職業軍人としての威厳を感じさせるキャラとなっています。
ちなみに、マオ、ゴドウィンの最初期のラフ画が以下のものです。やはり決定稿との差が少ないキャラといえると思います。
●ロブ・ハートレイ
出世欲などとは無縁の万年中尉、殺伐とした戦場に何かしら肩の力の抜けた感じを醸し出してくれるよう、大柄、ひげ面、しかし優しそうな顔立ち、という感じの飄々とした不良中年キャラになりました。
●カマル・クマル
いたって真面目で手を抜くことを知らない若い補充兵、融通が利かない一面も、という設定で起こされた初期画稿です。このうち真面目で真っ直ぐ、という部分を重視して顔立ちを調整していきました。
●ハイメ・カルモナ
多額の借金を返済するために、危険手当の多い特務部隊に志願転属してきた、という設定から、パイロットとしての腕前には自信のある少々ふてぶてしい感じの初期画稿となっています。
ここに紹介したのはキャラクター設定のほんの一部で、実際には体型から細かな表情まで何段階かの打ち合わせを経て決定稿となっていきます。製品版の各キャラクターと見比べつつ楽しんで頂けましたらと思います。
次回はインビジブル・ナイツのキャラクター設定をお届けする予定です。お楽しみに! |